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1793. Re[1792]:標準偏差と標準誤差について 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2018/10/25(木) 08:53:43
>博士後期課程学生さん
 初めまして、当館の館長を務めている”とものり”こと杉本と申します。m(_ _)m

>>そこで、大変お手数なのですが、このような研究デザインなら図にはSD、SEというような例をたくさん教えていただけないでしょうか?
 研究データの解析結果をグラフ化する時は、デザインの種類に関わらず、原則として標準誤差SEを用います。
 研究の目的は、研究で集めたデータつまり標本集団のデータを手かがりにして、母集団の様子を推測することです。そして推測ですから、当然、ある程度の誤差があります。そこでその誤差の大きさを表す指標として、標準誤差を用いるわけです。
 それに対して標準偏差SDは、データが平均値の周囲にどの程度バラついているかを表す指標です。これは単なるバラツキの指標ですから、標準偏差を用いて標本集団と母集団の誤差を表すことはできません。
 そのため普通の研究データの解析結果をグラフ化する時には、使い道がありません。例えば日本人全体(母集団)を調べた国勢調査の解析結果をグラフ化する時は、標準偏差を描いても良いでしょう。母集団では標準誤差を定義できないので、描きようがないのです。
 それから標本集団と母集団の誤差を正確に表すには、本来は標準誤差ではなく信頼区間を用います。信頼区間は、母集団の要約値が特定の確率で含まれている幅を表します。
 例えば95%信頼区間は、母集団の要約値が95%の確率で含まれている幅を表します。この95%信頼区間は、だいたい標準誤差×4倍の幅です。ただし例数が多いほど幅が少し狭くなります。
 解析結果をグラフ化する場合、本来は全て信頼区間を描くべきです。そのため、比較的最近になって用いられるようになった統計手法――例えばロジステイック回帰分析や生存時間解析等――では、要約値(オッズ比やハザード比等)をグラフ化する時は必ず信頼区間を描きます。
 ところが昔から用いられてきた統計手法――例えば平均値の検定(t検定)等――では、要約値(平均値等)をグラフ化する時は、信頼区間の代わりに標準誤差を用いる慣習が残っています。これはあくまでも慣習的なものであり、本来は平均値についても信頼区間を描くべきです。
 とゆーわけで、研究データの解析結果をグラフ化する時は、原則として信頼区間を描き、昔からの慣習に従う時だけは標準誤差を描いても良い、そして標準偏差を描くことはない、ということになります。
 以上、参考になれば幸いです。(^_-)