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1991.
Re[1990]:ブートストラップ法
投稿者:
杉本典夫
[
URL
] 投稿日:2025/12/11 (Thu) 14:42:43
>キッシーさん
お久しぶりですね!(^o^)/
> 統計処理の方法として「ブートストラップ法」を見たのですが、
> 今まで全く違う方法でデータをランダムに重複を許してリサンプルリングしたものの統計量を繰り返し計算して推定するらしいのですが、
> なぜうまく計算できるのか不思議です。この手法に対して先生の見解が知りたいです。
ブートストラップ法は、標本集団を擬似的に母集団と考え、そこから無作為抽出した擬似的な標本集団の標本統計量(標本平均値等)を求めるという作業を何度も繰り返し、それによって求めた標本統計量の平均値と分散を用いて本来の母集団の母数を近似的に推定したり検定したりする方法です。
これは「母集団がどんな分布をしていても、標本平均値等の標本統計量の分布は漸近的に正規分布に近似する」という中心極限定理に基づいています。
そしてたいていの統計手法は、標本統計量が正規分布するという前提で組み立てられています。
そのため標本集団が本来の母集団に近い時は、ブートストラップ法によって母数をわりと正確に推定・検定できますが、標本集団が本来の母集団と異なっている時は母数を正確に推測・検定できません。
ブートストラップ法は標本集団の標本統計量から母数を理論的に推定・検定できる時は利用されず、それが難しい時だけ利用されます。
その場合、ブートストラップ法による推定・検定の正確性は、標本集団が母集団にどの程度近いかに依存します。
そして標本集団の標本統計量から母数を理論的に推定・検定するのが難しい時は、たいてい標本集団が母集団にどの程度近いかは不明な時が多くなります。
そのため僕は、普通のデータ解析ではブートストラップ法はほとんど使わず、例えば机上の空論的な些細な点にツッコミを入れてくる論文の査読者を煙に巻く時(^^;)などに利用しています。
ブートストラップ法を用いて、中心極限定理がどの程度有効なのかシミュレーションした結果を「統計学入門」の付録2に記載しているので、参考にしてください。(^_-)
・付録2 中心極限定理のシミュレーション−平均値と中央値
http://www.snap-tck.com/room04/c01/stat/stat99/stat9902.html