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1825. 感染症数理モデル-13 投稿者:杉本典夫 [URL] 投稿日:2020/04/14 (Tue) 17:43:27
 ダイヤモンド・プリンセスの次は、日本のCOVID-19のデータを解析してみました。マスコミなどは、ダイヤモンド・プリンセスの感染者を日本の感染者に含めて発表しています。しかしWHOの定義では、ダイヤモンド・プリンセスの感染者は「International」になっていて、日本の感染者に入れていません。また数理モデル上でも、ダイヤモンド・プリンセスは独立した特殊な閉鎖集団なので、日本とは別にした方が合理的です。
 日本については、現在の第2の流行が始まる前だったので、あまり良い結果は得られませんでした。そしてその解析結果も、某医学研究者が論文に採用する可能性が高いので、残念ながらここでは公表できません。(^^ゞ
 代わりに、
 「日本はPCR検査件数が少ないので、見かけの感染者数が少ないだけで、本当はもっと流行している!」
という巷の噂を、簡易モデルを使って検討してみましょう。もしこの噂が正しいとすると、感染者が発見されず、単位時間あたりにI区間(感染者区画)からR区画(隔離区画)に移行する割合γが小さくなります。
 例えば、実際には現在の感染者数の10倍の人数の感染者がいると仮定します。するとγは現在の10分の1になり、R0(基本再生産数)=β/γは10倍になり、感染初期のI(t)の変化を表す指数関数の係数(β-γ)は非常に大きくなります。そうすると、「感染症数理モデル-11」で説明した最終規模方程式「1-pi≒exp(-pi・R0)」から、流行終息時の感染者の割合が非常に多くなります。
 またβ(単位時間あたりの感染率)とγは、最終的な割合ではなく、単位時間あたりの割合、つまり速度を表すパラメータです。そのため(β-γ)が大きくなれば、感染が広がる速度が速くなり、S区間の人数が急激に減るので、感染が納まる速度も速くなります。つまりS区画の感染すべき人が猛スピードで感染し、感染があっという間に広がったかと思うと、あっという間に終わってしまわけです。
 そこで感染者数が現在の2倍、5倍、10倍存在し、現在の数の感染者しか発見できていないと仮定して、簡易モデルを当てはめてシミュレーションしてみました。それが下のグラフ「CFD/1万人」の「JP(感染者数2倍)」、「JP(感染者数5倍)」、「JP(感染者数10倍)」の赤い破線で描いた曲線です。これらの曲線から、流行が現在よりも早く始まり、それが猛スピードで広がり、猛スピードで収束することがわかると思います。
 「CFD/1万人」のシミュレーション「JP(感染者数10倍)」は、2020年1月1日から約75日後の3月16日に、累積感染者数約20人/1万人、実数にして約254,000人(そのうち重症者は約50,000人)でほぼ収束しています。つまり、もし本当の感染者が現在の感染者の10倍いたとしたら、3月中旬に流行はほぼ終息していて、全国に約5万人の重症者が発生していたことになります。日本では重症者はほとんど見逃さずに見つけているので、さすがにこれは無いと思います。
 また「JP(感染者数5倍)」も、3月下旬に累積感染者数約10人/1万人、実数にして約127,000人(そのうち重症者は約25,000人)でほぼ収束しています。重症者の推移から考えて、この可能性もかなり低いと思います。
 「JP(感染者数2倍)」は、3月末に累積感染者数約3.2人/1万人、実数にして約40,640人(そのうち重症者は約8,100人)でほぼ収束しています。これも、重症者の推移が現在の重症者の推移と食い違っているので、可能性は低いと思います。
 ただ4月になってPCR検査数を増やしているので、これまで見つかっていなかった感染者が見つかり、それが現在の第2の流行のように見えていると解釈することは、一応、可能です。その場合、実際の流行はほとんど収束しているので、検査数が増えるに従って見つかる感染者が一気に増え、現在いる感染者を全て検査し終われば、見つかる感染者が一気に減るはずです。でも現在のところ、1日あたりの感染者の変化は、数理モデルから予想される変化とだいたい一致していて、不自然な変化はありません。