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1868. Re[1867]:信頼区間と期待値について 投稿者:杉本典夫 [URL] 投稿日:2022/10/27 (Thu) 08:24:33
>上条あかね様

>> 「標本平均値 x(ω) と固定された標準誤差から得られる母平均の 95% 信頼区間に母平均が属するような標本点 ω 全体からなる可測集合 {ω| |(標本平均)(ω)-(母平均)|≦(定数c)×(標準誤差)} の確率は,
>> c の定め方から,0.95 なので,100 個の標本平均値と固定された標準誤差から得られる母平均の 95% 信頼区間のうち母平均が属するものの個数は B(100,0.95) に従う確率変数であり,その期待値は 100×0.95=95 である」
>> という信頼区間の「性質」と言ってしまうのは不味いのでしょうか?
僕はあまりまずくないと思いますが、ネイマン・ピアソン統計学派の人達は「まずい!」と言うと思いますよ。(^_^;)
その理由は、標本平均値と標準誤差は固定された値ではなく、標本平均値は正規分布に従う確率変量であり、標準誤差はχ2乗分布に従う確率変数です。そのため母平均を含む信頼区間の個数は、厳密にはB(100,0.95)に従いません(ただし100個の信頼区間が得られた時、そのうち母平均が含まれる信頼区間の期待値は95になります)。
これは統計学の草創期にゴセット(Student)によって発見されたことであり、標本平均値と標準誤差を組み合わせて検定統計量や信頼限界(信頼区間の下限と上限)を求めると、それは正規分布ではなくt分布に従います。そのため信頼区間の計算にt分布の5%断点の値(定数c)を使うのです。
そして標本平均値と標準誤差が確率変数であることから、信頼区間に母平均が含まれる確率という解釈ではなく、母平均を含む信頼区間を得る確率という解釈になるわけです。
それに対してベイズ統計学派の人達は、結果の確率ではなく原因の確率を使って「信用区間に母平均が含まれる確率は95%である」と解釈します。
僕はベイズ統計学派ではありませんが、信頼区間に関してはベイズ統計学派の人達の解釈の方が実用的だと思ってますよ。(^_-)