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1884. Re[1883]:解析について 投稿者:杉本典夫 [URL] 投稿日:2022/11/02 (Wed) 14:04:13
>北の大学院生さん
>> (1)自覚症状のVAS の改善率が100%改善した症例を治癒群, 99〜50%まで改善した症例を改善群,49〜1 %まで改善を軽快群, 変化がない症例を不変群,
>> 悪化例を悪化群と定義するとこの分類はVAS高値にはある程度良いかと思いますが、VAS低値は誤差の範囲内であると思います。
>> この分類は妥当性はありますか?
妥当かどうかは統計学的に判断するのではなく、医学的に判断すべきです。
統計学的に見ると、改善が3段階で悪化が1段階というのは改善と悪化が非対称なのであまり好ましくありません。しかし自覚症状のVASの性質上、これは致し方ないかもしれませんね。

>> (2)マクギル疼痛質問票を用いて、22項目のグループごとに3つの合計点を求めて「下位尺度」として評価項目にしたのですが、
>> これとNRSの相関を調べるときは4つのものとの相関のため偏相関係数が良いでしょうか?
>> 相関係数とスペアマンの相関関係を出して感度分析を行ったほうが良いでしょうか?
本来、下位尺度は因子分析による因子スコアですから、因子軸を斜交回転していなければお互いに無相関になります。そのため偏相関係数も単相関係数も同じ値になります。
しかし実際には因子スコアを用いることは稀なので、お互いに無相関とは限りません。そのため重相関分析を行い、重相関係数と偏相関係数を求める必要があります。
また順位相関係数は順序尺度のデータの相関係数ですから、偏相関係数も重相関係数も存在しません。偏相関係数や重相関係数は複数の計量尺度項目の間の線形な関数関係に基づいた指標です。順序尺度のデータは順序だけは付けられるものの、計量的な四則演算はできないことが特徴です。そのため線形な関数関係に基づいた偏相関係数や重相関係数は存在しないのです。したがって単相関係数と単順位相関係数の感度分析なら可能ですが、偏相関係数や重相関係数の感度分析は不可能です。

>> (3)2に関してですが、各変量1つにつき10例程度(4つの関係なので40例以上程度)で中心極限定理が成り立つと解釈してよいでしょうか?
これは、元のデータが度正規分布にどの程度近似しているかで異なります。僕が行ったシミュレーションの結果では、元のデータが左右対称なら10例程度でも中心極限定理が成り立ちます。しかし対数正規分布のように、元のデータが極端に歪んでいると中心極限定理が成り立つためには50例以上は必要です。