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1895. Re[1894]:比例ハザードモデル の評価について 投稿者:杉本典夫 [URL] 投稿日:2022/11/09 (Wed) 09:06:18
>生存時間解析の初心者さん
初めまして、当館の館長を務めている”とものり”こと杉本と申します。当館の「統計学入門」を読んでいただき、ありがとうございます。m(_ _)m

>> 11章の4節にて C統計量の説明がありましたが、
>> セミパラメトリックの評価に用いられる C統計量は
>> あくまで 
>> モデルから予測される生存時間と実際の生存時間の順序が一致している程度を表しているのであり、
>> 導き出される生存曲線のグラフの生存日数は何も意味を成さないのでしょうか?
Kaplan-Meier法によって求めた累積生存率曲線は、生存時間を用いて計算したパラメトリックなグラフです。そのため累積生存率曲線の生存日数には意味があります。
しかし2群の生存率を比較する手法であるCox-Mantel検定や一般化ウィルコクソンの2標本検定やログランク検定やC-統計量は、生存日数データを生存順序データにしてから計算します。そのため、それに対応する累積生存率曲線はKaplan-Meier法によって求めた累積生存率曲線ではなく、時間間隔を「1」にした累積生存率曲線です。
このことはあまり知られていないので、医学分野ではKaplan-Meier法によって求めたパラメトリックな累積生存率曲線に、ノンパラメトリック手法であるCox-Mantel検定や一般化ウィルコクソンの2標本検定やログランク検定の結果とC-統計量を付記したりします。これは平均値や中央値のグラフに、順位平均値の検定手法であるノンパラメトリックな順位和検定の結果を付記するのと同様の間違いです。
Kaplan-Meier法によって求めたパラメトリックな累積生存率曲線に付記すべきなのは、本来はパラメトリック生存時間解析の結果です。

>> またできない場合
>> パラメトリックモデルだと 可能になるのでしょうか?
パラメトリックモデルは観測期間をそのまま用いて解析しているので可能です。
そのことを表すグラフを「統計学入門」の次のページで説明しているので参考にしください。(^_-)

○玄関>雑学の部屋>雑学コーナー>統計学入門
→11.6 パラメトリック生命表解析
http://www.snap-tck.com/room04/c01/stat/stat11/stat1106.html
※「図11.6.1 指数分布モデルによる理論的生存率関数」と「図11.6.2 時間間隔を1にした時の理論的生存率関数」が参考になると思います。
図11.6.1のようなグラフを描いたのなら、パラメトリック生存時間解析の結果を付記すべきであり、セミパラメトリック生存時間解析の結果は、本来は図11.6.2のようなグラフに付記すべきです。