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1971. Re[1970]:判別分析 投稿者:杉本典夫 [URL] 投稿日:2024/02/25 (Sun) 08:41:03
>キッシーさん
お久しぶりですね!(^o^)/

> 第9章 判別分析および第18章 重判別分析
> 判別分析が紹介されていますが
> その分析を行うための仮定は、正規分布だけでしょうか?
> 分散は処理過程で考慮されていると思いますので
> 元データの等分散性は仮定には必要ないと思うのですが?
通常の判別分析では、群ごとの多変量データが多変量正規分布をしていると仮定します。そして原則として各群の分散共分散行列は等しくなくてもかまわない、つまり等分散性は必要ありません。(実は多変量データが特定の多変量確率分布をしていれば判別分析可能ですが、通常は多変量正規分布を用います。(^_-))
ただし各群の分散共分散行列が等しい時と等しくない時では、判別関数の内容が変わります。そこで一般的な判別分析の解説書などでは、各群の分散共分散行列が等しいと仮定した時の判別関数を記載していると思いますし、一般的な統計ソフトでも各群の分散共分散行列が等しいと仮定した時の判別関数を出力すると思います。そのため実際に判別分析を用いる時は、各群の分散共分散行列が等しいと仮定するのが普通です。

でも各群の分散共分散行列が等しくない時でも、その影響は非常に小さくて、現実的にはほとんど問題になりません。自作の統計ソフトDANSでは、2群で1変量の判別分析について等分散の時と不等分散の時の判別関数を計算できるようにしてあります。そしてそのソフトを用いて色々とシミュレーションし、不等分散性の影響が非常に小さいことを確認しました。

2群の判別分析について、分散共分散行列が等しくない時の判別関数については当館の次のページに記載してあります。
○玄関>雑学の部屋>雑学コーナー>統計学入門
→9.4 多変量の場合 (注3)
http://www.snap-tck.com/room04/c01/stat/stat09/stat0904.html#note03

それから判別分析と同様に等分散性がよく問題になる2群の平均値の差の検定、つまり2標本t検定(対応のないt検定)について、不等分散性が検定結果にどの程度影響するかについてシミュレーションした結果を次のページに記載してあります。この結果を見ると、不等分散は現実的にはほとんど問題にならないことがわかると思います。(^_-)
○玄関>雑学の部屋>雑学コーナー>統計学入門
→3.3 2標本の計量値 (注2)
http://www.snap-tck.com/room04/c01/stat/stat03/stat0303.html#note02