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No.1557 - 1606 / 50 件表示


1606. Re[1605]:[1604]:クロスオーバー試験に関して 投稿者:かんがるぅ 投稿日:2014/08/05(火) 11:31:19
杉本 先生

迅速なご回答有難うございました。

先生の描かれたクロスオーバー試験の模式図を見て、
t0(摂取前), t1(第1期終了後), t2(第2期終了後)からなる
計3タイムポイントでの解析についてはイメージ出来ていたのですが、
そこに、第2期摂取前というタイムポイントが増えた場合に、
どうしたら良いか迷っておりました。
(wash outが充分で、第2期摂取前に第1期摂取前と同様レベルまで値が戻っていれば、
第1期前後の変化量と第2期前後の変化量を用いて計算しても問題無いと思っていましたが、
wash outが充分であるかどうかわからない状態で、第2期の変化量算出において
第2期摂取前の値を引く数として用いて良いのかどうか悩んでいたのです。)

また式を眺めて考えてみたいと思います。
大変勉強になりました。
ありがとうございました。

1605. Re[1604]:クロスオーバー試験に関して 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/08/04(月) 12:06:19
>かんがるぅさん
 初めまして、当館の館長を務めております”とものり”こと杉本典夫です。m(_ _)m
 御質問にお答えします。

>>私の考えた方法は、
>>「第1摂取期前後の変化量及び第2摂取前後の変化量を求め、
>>求めた変化量を用いて、群と摂取時期を要因とする二元配置分散分析を実施。
>>交互作用項を薬剤効果として解釈する。」
>>というものなのですが、交互作用項の解釈に関して無理がありますでしょうか?
 薬効の指標として摂取前後の変化量を用いる時は、第1期の変化量と第2期の変化量をデータとしてクロスオーバー用分散分析を適用します。
 実際、トクホ食品の効果確認試験では、このデザインのクロスオーバー試験を行うように厚労省のガイドラインに記載されています。(食品会社から依頼されて、そういった試験データを何度も解析しました。σ(^_-))
 また薬効の指標として摂取後の実測値を用いる時は、第1期後の実測値と第2期後の実測値をデータとしてクロスオーバー用分散分析を適用します。こういった場合はあまり多くありませんが、実際にこのデータ解析も行ったことがあります。
 クロスオーバー用分散分析の薬剤効果と、二元配置分散分析の交互作用は同じものになります。そのため薬剤効果だけを検討したいのなら、二元配置分散分析でもかまいません。
 でもその場合は順序効果を検討することができないので、クロスオーバー用分散分析を適用した方が便利だと思いますよ。(^_-)
 以上、参考になれば幸いです。

1604. クロスオーバー試験に関して 投稿者:かんがるぅ 投稿日:2014/08/03(日) 23:49:38
杉本 先生

統計学の勉強にいつも利用させて頂いております。
ありがとうございます。
(やはり書籍化されると勉強しやすく感じます。続編もよろしくお願いします。
なかなか机に向かって勉強できる環境がない故、コンパクトな本は有難いです。)

お忙しいところ申し訳ありません。
クロスオーバー試験のことで質問させて下さい。

先生のサイトや複数の書籍を読み、典型的なクロスオーバー試験デザインと解析法については理解出来ました。
しかしながら、同等性試験という意図ではなくクロスオーバー試験が利用される場合も多く、
そういった試験の場合、第1摂取期の前後、第2摂取期の前後、計4点のタイムポイントでデータを得る場合が見られます。
このような試験の場合、データ解析はどのように行えば良いのでしょうか?

そもそも試験デザインやクロスオーバー試験の利用法に問題が。。。ということはわかってはいるのですが、
そういった試験のデータ検討を行わなければいけない状況にあります。

私の考えた方法は、
「第1摂取期前後の変化量及び第2摂取前後の変化量を求め、
求めた変化量を用いて、群と摂取時期を要因とする二元配置分散分析を実施。
交互作用項を薬剤効果として解釈する。」
というものなのですが、交互作用項の解釈に関して無理がありますでしょうか?

教えていただけると幸いです。

1603. クラスター分析第3節 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/08/02(土) 16:45:56
 当館の「統計学入門」にクラスター分析の第3節をアップしました。(^o^)/
 これでクラスター分析の解説は終了しました。いやぁ〜、数式が少なくてグラフが多いと、ウェブページを作成するのが随分と簡単になるもんです。これからは、できるだけこの手を使うことにしましょう。v(^^;)

1602. クラスター分析第2節 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/08/01(金) 10:19:06
 当館の「統計学入門」にクラスター分析の第2節をアップしました。(^o^)/
 クラスター分析は結果をグラフ表示することが多いので、グラフが多くなります。そして計算方法が比較的簡単なので、ややこしい数式とややこしい文章を書く必要があまりありません。そのため文章に苦労することが少なく、わりと短時間で2つの節を作成できました。v(^_-)

1601. Re[1598]:共分散分析の結果について 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/07/31(木) 08:46:40
>Hamohtaさん
 こんにちわ!(^o^)/

>>ある検査で患者群と健常群で差があるかどうかの分析です。
>>男女別にして、検査値を目的変数、年齢を共変数にした共分散分析(ANCOVA)を行ないました。
>>回帰直線がクロスする場合の疑問です。
>>クロスする年齢より若い群では、患者の方が検査値が低く、クロス点より高齢になると患者の方が検査値が高くなります。
>>この場合、「若い層で患者の検査値が(有意に)低い」とは言えないのですよね?

 非平行性が有意なら、「若い層で患者の検査値が有意に低い」と言えます。
 ただし「有意水準5%で有意」とは「実験結果の数値が95%信頼できる」、この場合は「2群の非平行な回帰直線が95%信頼できる」という意味にすぎません。本当に大切なことは、「検査値がどの程度低ければ、医学的に意義があるか?」ということです。
 例えば「検査値が10以上低ければ、医学的に意義がある」つまり「±10未満の検査値の差は医学的に許容範囲であり、ほぼ同等である」ということなら、患者群と健常群の差が±10未満の時の年齢では検査値はほぼ同等で、それ以上若くなると患者の方が検査値が医学的に有意義に低くなり、それ以上高齢になると患者の方が検査値が高くなる、ということになります。
 検査値に医学的な許容範囲があるのなら、ある年齢を境にして検査値の上下関係が明確に逆転するのではなく、「ほぼ同等」というグレーゾーンの年齢範囲が必ず存在するはずです。

 以上、参考になれば幸いです。(^_-)

1600. 二重投稿になってしまいました 投稿者:Hamohta 投稿日:2014/07/30(水) 19:27:47
同じ投稿を2回してしまいました。
すみません。。。。
Hamohta

1599. 共分散分析の結果について 投稿者:Hamohta 投稿日:2014/07/30(水) 19:25:17
杉本先生

こんにちは!いつもお世話になっております。
また共分散分析のことで質問させてください。
もしかしたら以前質問したかも?と思い、過去ログを探したのですが、
見つけられなかったので。。。

ある検査で患者群と健常群で差があるかどうかの分析です。
男女別にして、検査値を目的変数、年齢を共変数にした共分散分析(ANCOVA)を行ないました。
回帰直線がクロスする場合の疑問です。
クロスする年齢より若い群では、患者の方が検査値が低く、クロス点より高齢になると患者の方が検査値が高くなります。
この場合、「若い層で患者の検査値が(有意に)低い」とは言えないのですよね?
回帰直線が短くなると平行に近づくのは当然なので、年齢層で区切るのはあまり良くないと
教えてもらったと記憶しています。

上司からの下記の質問に答えられなくて困っています。
「クロスすることで、二群の比較ができない
→差があるとも無いとも言えない
→一体何が言えるのか?
クロス点より若い群では患者の検査値が低そうなのはわかるが、
統計的に数字は出ていない。低い、と言っていいのか?」

クロスポイントの前後で分けて、ANOVAなどをしても良いのでしょうか?
確かに低いんだ、という解析を求められてしまいました。。。

本当にいつもすみません。
お助け下さい。。。

Hamohta拝


1598. 共分散分析の結果について 投稿者:Hamohta 投稿日:2014/07/30(水) 19:17:14
杉本先生

こんにちは!いつもお世話になっております。
また共分散分析のことで質問させてください。
もしかしたら以前質問したかも?と思い、過去ログを探したのですが、
見つけられなかったので。。。

ある検査で患者群と健常群で差があるかどうかの分析です。
男女別にして、検査値を目的変数、年齢を共変数にした共分散分析(ANCOVA)を行ないました。
回帰直線がクロスする場合の疑問です。
クロスする年齢より若い群では、患者の方が検査値が低く、クロス点より高齢になると患者の方が検査値が高くなります。
この場合、「若い層で患者の検査値が(有意に)低い」とは言えないのですよね?
回帰直線が短くなると平行に近づくのは当然なので、年齢層で区切るのはあまり良くないと
教えてもらったと記憶しています。

上司からの下記の質問に答えられなくて困っています。
「クロスすることで、二群の比較ができない
→差があるとも無いとも言えない
→一体何が言えるのか?
クロス点より若い群では患者の検査値が低そうなのはわかるが、
統計的に数字は出ていない。低い、と言っていいのか?」

クロスポイントの前後で分けて、ANOVAなどをしても良いのでしょうか?
確かに低いんだ、という解析を求められてしまいました。。。

本当にいつもすみません。
お助け下さい。。。

Hamohta拝



1597. クラスター分析第1節 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/07/29(火) 19:48:38
 当館の「統計学入門」にクラスター分析の第1節をアップしました。(^o^)/
 クラスター分析は医学・薬学分野ではあまり用いられず、マーケットリサーチなどの社会科学分野で多用される手法です。そのため実際の研究現場で利用したことはほとんどありませんが、エレガントなプログラムを自作したのでけっこうお気に入りの手法です。v(^_-)

1596. 正準相関分析第3節 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/07/25(金) 17:12:07
 当館の「統計学入門」に正準相関分析の第3節をアップしました。(^o^)/
 正準相関分析と他の手法との関係を詳しく説明しようと思ったんですが、数式を展開して理論的に説明するのが面倒だったので、具体例を計算することによってそれを実感してもらうことにしました。
 寄る年波のせいか、数式をコツコツと展開するのが少々億劫になってきたのです。(^^ゞ

1596. 正準相関分析第3節 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/07/25(金) 17:12:07
 当館の「統計学入門」に正準相関分析の第3節をアップしました。(^o^)/
 正準相関分析と他の手法との関係を詳しく説明しようと思ったんですが、数式を展開して理論的に説明するのが面倒だったので、具体例を計算することによってそれを実感してもらうことにしました。
 寄る年波のせいか、数式をコツコツと展開するのが少々億劫になってきたのです。(^^ゞ

1595. 算数クイズの解答 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/07/21(月) 09:03:27
 当館の「クイズコーナー」にアップした「算数クイズ」について、僕が考えた解答をアップしました。問題編のページにこっそりと解答編への隠しリンクを貼りましたので、それを探してみてください。(^o^)/
 隠しリンクを探すよりもクイズの解答を考える方が簡単だと思いますが(^^;)、隠しリンク探しが好きな人はチャレンジしてみてください。
 ついでに「まともなクイズ」についても、問題編のページに解答編への隠しリンクを貼りました。興味がある方は、こちらも隠しリンクを探してみてください。

※ウェプページのソースを表示するという、身も蓋もない禁じ手も使えますよ。(^^;)

1594. 算数クイズ 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/07/16(水) 20:58:11
 当館の「クイズコーナー」に、算数クイズをアップしました!(^o^)/
 このクイズは、以前、Facebookの友人のタイムラインで出題されたものです。解答はすぐに思い付きましたが、クイズの単純さに比べて解答がやたらと仰々しくて数学的なため、我ながら不満でした。そこでもっとエレガントで単純明快な解答にできないかと少し考えましたが、毎日の生活に追われて(^^;)ついついそのまま放ったらかしてありました。
 ところが最近、ひょんなことからこのクイズを思い出したので、自分のウェブサイトにこのクイズをアップし、誰かがもっと簡単な解答を見つけてくれるのを待つことにしました。
 このクイズは簡単な算数さえ知っていば誰でも挑戦できるので、我と思わん方は是非挑戦してみてください。(^_-)

1593. 正準相関分析第2節 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/07/13(日) 20:32:47
 当館の「統計学入門」に、正準相関分析の第2節をアップしました!(^o^)/
 この手法はベクトルと行列を多用するので、理論的な内容をHTMLで記述するのに時間がかかります(昔気質なHTML使いのため、ウェブサイトは全てHTMLを直接記述して作成しています。σ(^_-))。その上、例題のデータを手計算した時の途中経過も書いているため、計算にやたらと時間がかかります。
 以前、企業に勤めていた時、僕の部署に配属された新入社員に、研修という名目で多変量解析の例題データを手計算をさせるという暴挙を行なっていました。今はその手が使えないため、自分で例題データをしこしこと手計算し、その途中経過をウェブに書いています。
 まさに因果応報でしょうなぁ…!(^^ゞ

1592. 正準相関分析第1節 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/07/04(金) 17:34:01
 当館の「統計学入門」に正準相関分析の第1節をアップしました!(^o^)/
 正準相関分析は重相関分析、単相関分析、重回帰分析、単回帰分析、正準分析(重判別分析)、線形判別分析、分散分析、主成分分析等を包含する非常に汎用性の高い手法であり、僕のお気に入りの手法です。でもかなり複雑な手法なので、データ解析を依頼されてこの手法を用いても、それが実際の研究論文に採用されたことはまだありません。(;_;)
 汎用性が高く、理論的にもエレガントなのに、研究現場ではほとんど知られていない可哀想な手法なので、せめて僕のサイトでは詳しく説明してあげようと思っています。v(^^;)

1591. Re[1590]:[1589]:非平行である2つ回帰直線の表現について 投稿者:Hamohta 投稿日:2014/07/02(水) 19:47:49
>とものりさん

本当に、本当にありがとうございます。
これでまた一歩、前進することが出来ました!

今取り組んでいる研究で、先生にどれだけ助けていただいているかわかりません。
心から感謝いたしますm(_ _)m

Hamohta拝

>>>Hamohta先生
>> お久しぶりです!(^o^)/
>>>>質問は
>>>>・非平行性が棄却できなくても、「共分散分析を行なった」と記載しても良いのか?
>>>>つまり、「2群間の回帰直線で検査値を比較するために、共分散分析を行なった」という文章はおかしくないでしょうか?
>> 共分散分析は共変数の影響を補正して群間比較を行うことと、非平行性の検定を同時に行うための手法です。そのため非平行性が有意になってもならなくても、検定結果にはそれなりの意味があります。
>> ですから、どちらの場合でも「共分散分析を行なった」と記載してかまいません。
>>>>・前項の答えがNoの場合、非平行性の検定方法として正式な名称はありますか?
>> 共変数が1つだけの時、非平行性の検定は「2つの回帰係数の検定」という手法と同じものになります。しかしこの手法は特殊な上、共変数が1つの時しか適用できません。
>> そのため、普通は共分散分析の非平行性の検定を用いますね。
>>
>> 以上、参考になれば幸いです。(^_-)

1590. Re[1589]:非平行である2つ回帰直線の表現について 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/07/02(水) 19:41:49
>Hamohta先生
 お久しぶりです!(^o^)/
>>質問は
>>・非平行性が棄却できなくても、「共分散分析を行なった」と記載しても良いのか?
>>つまり、「2群間の回帰直線で検査値を比較するために、共分散分析を行なった」という文章はおかしくないでしょうか?
 共分散分析は共変数の影響を補正して群間比較を行うことと、非平行性の検定を同時に行うための手法です。そのため非平行性が有意になってもならなくても、検定結果にはそれなりの意味があります。
 ですから、どちらの場合でも「共分散分析を行なった」と記載してかまいません。
>>・前項の答えがNoの場合、非平行性の検定方法として正式な名称はありますか?
 共変数が1つだけの時、非平行性の検定は「2つの回帰係数の検定」という手法と同じものになります。しかしこの手法は特殊な上、共変数が1つの時しか適用できません。
 そのため、普通は共分散分析の非平行性の検定を用いますね。

 以上、参考になれば幸いです。(^_-)

1589. 非平行である2つ回帰直線の表現について 投稿者:Hamohta 投稿日:2014/07/02(水) 14:44:16
先生こんにちは!

いつも大変お世話になっております。脳外科医Hamohtaです。

もう少しで学位論文が書き上がろうとしています!
統計解析方法の項での書きぶりについてご相談させてください。

以前(昨年の夏頃)相談させていただいた、検査値を目的変数、年齢を共変数にした共分散分析(ANCOVA)です。
結果的に全てのグループで非平行性を棄却できませんでした。
でも、これはこれで非常に興味深い結果ですので、この点についてしっかりと記載したいと考えています。

質問は
・非平行性が棄却できなくても、「共分散分析を行なった」と記載しても良いのか?
つまり、「2群間の回帰直線で検査値を比較するために、共分散分析を行なった」という文章はおかしくないでしょうか?
・前項の答えがNoの場合、非平行性の検定方法として正式な名称はありますか?

すっかり甘えてしまって申し訳ございません。
ネットで「平行性の検定」など検索しても、先生のページが一番上に現れるんです。。。

宜しくお願いいたします。

Hamohta拝


1588. 「Girl Rising〜私が決める、私の未来〜」 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/07/01(火) 17:45:02
・「Girl Rising〜私が決める、私の未来〜」リチャード・E.ロビンス監督、アメリカ、2013年
 先日、プラン・ジャパン主催の映画上映会があったので観てきました。一応、プラン・ジャパンのマンスリー・スポンサーになっているので、案内状が届いたのです。(^o^)/
 本作は「第2回国際ガールズ・デー」のイベントで上映された作品で、9カ国から9人の女の子が登場し、彼女達自身の経験を自ら演ずる再現ドキュメンタリーです。登場する女の子が明るくて愛らしく、しかも前向きで元気なので、観ていて爽やかな気持ちになりました。特に最後に登場したアフガニスタンの少女の、「私が”変化”です」という力強い言葉には感動してしまいました。
 プラン名古屋の会で独自の上映会も予定しているそうですから、もし機会があったら、この愛らしくて勇気ある少女達の話を是非聴いてやってください。v(^_-)

http://www.plan-japan.org/girl/special/grmovies/index.html

1587. 雅楽の演奏会 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/06/28(土) 12:12:34
 少し前ですが、名古屋駅近くの中村公園で開催された「歴史文化のつどい」で、雅楽の演奏会があったので聴いてきました。(^o^)/
 雅楽は、釈迦が生まれた時に演奏されたという言い伝えがある、世界最古のオーケストラです。日本では古事記に記載されているほど古い時代に、中国から朝鮮半島を経由して伝わりました。そしてその後、日本独自の発達をして平安期に最盛期を迎え、ほぼそのままの形で現在まで伝えられています。
 今回は素人向けのプログラムなのか、雅楽の代表作「越天楽」は当然として、「スカボロ・フェアー」(サイモン&ガーファンクル版)まで演奏したのには驚きました。でもサイモン&ガーファンクルがインド音楽やフォルクローレの影響を受けていたことを考えると、何となく納得できる選曲ではありました。v(^_-)

1586. 「ヴィオレッタ」 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/06/25(水) 08:47:42
・「ヴィオレッタ(My Little Princess)」エヴァ・イオネスコ監督、フランス、2011年
 1977年、フランスの女性写真家イリナ・イオネスコが、自分の幼い娘を被写体にしたロリータ・ヌード写真集「エヴァ」を発表し、世界中にセンセーションを巻き起こしました。それから34年後、その被写体となったエヴァ自身が、その体験をベースにして脚本を書き、監督をしたのが本作です。
 お気に入りのイザベル・ユペールがエヴァの母親を演じていて、しかもロリコンの僕としては、本作はどうしても観たかった映画です。v(^^;)
 とにかくヴェオレッタ役のアナマリア・ヴァルトロメイの、妖しい艶やかさに圧倒されました! 僕は「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」のメリンダ・キンナマンのようなボーイッシュな少女が好みであり、この手の色っぽさは実は苦手です。それでも、彼女の凄みのある妖艶さと圧倒的な存在感には参ってしまいました。
 そして監督であるエヴァは、34年かかって本作を撮れるようになったものの、それでもなお母親から逃げることでしか自分を守る術を知らないことを暗示するラストシーンは印象的でした。

http://violetta-movie.com/

1585. 初心者のための生物統計学超入門 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/06/21(土) 08:42:10
 8月に、また情報機構主催の統計学セミナーの講師をすることになりました!(^o^)/
 4ヶ月に1度の間隔でセミナーを開催し、その間に通信教育をするというサイクルが確立しつつあります。どちらもテキストは既に出来ているので最初よりは楽ですが、演習問題に入れるギャグがいつも同じでは面白くないので、ギャグを考えるのに頭を悩ませたりしています。(^^;)

http://www.johokiko.co.jp/seminar_medical/AA140814.php

1584. 統計学通信教育講座終了! 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/06/18(水) 11:53:37
 3月から行なっていた、情報機構主催の統計学通信教育講座が無事に終了しました!(^o^)/
 普通のセミナーと違って、メールによる受講者からの質問に答え、演習問題の回答の添削をするだけなのでけっこう楽でした。質問や演習問題の回答を見ると、受講者が、こちらが意図したようにはテキストを読んでくれないところがあったりして、文章表現の難しさを痛感しました。
 でも受講者が真面目に読んでくれていることはよくわかり、その熱意に見合うだけの内容に改善していきたいと大いに刺激を受けました。v(^_-)

http://www.johokiko.co.jp/lecture/CP140202.php

1583. 「予言がはずれるとき」 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/06/15(日) 14:53:02
・「予言がはずれるとき」L.フェスティンガー/H.W.リーケン/S.シャクター共著、水野博介訳、勁草書房、1995年
 認知的不協和理論を提唱した社会心理学者レオン・フェスティンガー等の、古典的名著です。本書は、認知的不協和理論という心理学分野の有名な理論を、カルト教団に適用して実証しようとした本です。
 「近い将来に人類の終末が訪れ、選ばれた人だけが救済される」という予言は、ユダヤ教やキリスト教や仏教を始めとして多くの宗教に共通するものです。この予言を時代に合った内容に焼き直し、人類の終末の様子とその日付を具体的に予言して信者を集めるカルト教団が、ユダヤ教以後、現在までたびたび現れてきました。
 そして今現在、相変わらず人類が存在しているという事実が明白に示しているように、それらの終末予言は全て完全に外れてきました。こいう場合、普通なら教団の教祖に対する信者達の信頼が失われ、教団は壊滅すると考えられます。ところが不思議なことに、予言が外れると信者達の信仰と団結力がかえって高まり、布教活動を活発に行なって教団が大きくなるという現象が数多く起きています。
 この不可思議な現象は、認知的不協和理論によって合理的に説明することができます。この理論を提唱したフェスティンガー達は、当時のアメリカで、大洪水による世界の終末と、選ばれた者のUFOによる救済を、具体的な日付を挙げて予言していたUFO系カルト教団に身分を隠して潜入しました。そして参与観察という心理学的な手法を使って、予言が外れた結果、主要な信者達がかえって信仰と団結力を高め、布教活動を活発化していく様子を観察し、それを認知的不協和理論で説明しようとしたのが本書です。
 本書は心理学研究結果の優れた報告書というだけでなく、カルト教団内部のリアルで臨場感溢れるドキュメンタリーにもなっています。
 この認知的不協和理論は、カルト教団だけでなく似非科学にも当てはめられる理論なので、似非科学が何かと問題になっている現在、この本が参考になると思って紹介することにしました。似非科学者と論争したり、その信奉者を説得しようとしてやたらと苦労した経験のある人は、本書の冒頭の次の文章に大いに共感すると思います。

「堅固な信念を持っている人の心を変えるのはむずかしい。
もし、私はあなたとは意見が違うなどと言おうものなら、その人はそっぽを向いてしまうであろう。その人に事実や数字を示したとしても、その出処に疑問を呈するだろう。理論に訴えたとしても、その人は肝心な点を理解できないことであろう。
私達は誰でも、がんこな信念を変えさせようとして、無駄な骨折りをした経験があるものだ」

 本書に登場するカルト教団の教祖と信者達の関係は、似非科学の提唱者とその信奉者達の関係とそっくりです。これらの集団はどちらも「新しい知識や事実を受け入れず、自己欺瞞によって間違いを許容し、自らの正しさを強調するために、さらに間違いを再生産する」という特徴を持っていて、この特徴は認知的不協和理論でうまく説明することができます。
 スピリチュアリズム、オカルティズム、UFO、カルト教団等々に興味のある方だけでなく、疑似科学や似非科学に興味のある方——もしくはそれらに悩まされている方にも、本書をお勧めします。v(^_-)

http://www.amazon.co.jp/%E4%BA%88%E8%A8%80%E3%81%8C%E3%81%AF%E3%81%9A%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%8D%E2%80%95%E3%81%93%E3%81%AE%E4%B8%96%E3%81%AE%E7%A0%B4%E6%BB%85%E3%82%92%E4%BA%88%E7%9F%A5%E3%81%97%E3%81%9F%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E3%81%AE%E3%81%82%E3%82%8B%E9%9B%86%E5%9B%A3%E3%82%92%E8%A7%A3%E6%98%8E%E3%81%99%E3%82%8B-Keiso-communication-L-%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%BC/dp/4326101067

1582. 検診のリスク・ベネフィット評価 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/06/11(水) 17:03:32
 当館の「統計学入門」に、検診のリスク・ベネフィット評価に関する模式的なモデルをアップしました!(^o^)/
 最近、検診や予防接種や原子力発電所の是非について、そのリスク(危険性)とベネフィット(利益)のバランスを考慮して云々という議論を見かけることが多くなりました。でもマスコミ等で報道される議論は、定性的な議論だったり、見かけは定量的な議論でも、その裏付けとなるデータが恣意的で、分析方法がいい加減だったりして、残念ながらデータ解析屋として納得できるものはほとんどありません。
 定性的な議論は容易で、一見すると成る程と納得しやすいのですが、現実の事柄は定量的に起きるのでやはり定量的な議論が必要です。
 そこで普通の人が直面する機会の多い検診について、定量的なリスク・ベネフィット評価の模式的なモデルを作ってみました。このリスク・ベネフィット評価モデルは、検診だけでなく予防接種や治療法などにも応用できると思います。
 こういったことに興味のある方は、これをたたき台にして色々と考えてみてください。v(^_-)

○玄関>雑学の部屋>雑学コーナー>統計学入門>付録5 検診のリスク・ベネフィット評価
http://www.snap-tck.com/room04/c01/stat/stat99/stat9905.html

1581. Re[1580]:お詫び 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/06/08(日) 09:08:25
>木内治彦さん
>>ここが、質問部屋ではなく会議室であるということを失念し、甘えきっていたことを猛省します。
 この会議室はこういった質問を受けたり、色々な話題について雑談するための部屋ですから、いつでも遠慮無くご質問ください。(^_-)
 自分で書いた解説は自分にとって一番わかり易いように書くので、それを他の人がどのように読んでくれるのかは自分ではわからず、実はけっこう不安なところがあるんですよ。だからこういった質問を受けると、解説方法について参考になるところが多々あります。
 これからも、遠慮せずにじゃんじゃん質問してください。(^o^)/

1580. お詫び 投稿者:木内治彦 投稿日:2014/06/08(日) 00:23:31
 大変失礼な質問をしてしまい申し訳ありませんでした。
 一度、13章まで通読し分からないことがあったら、他の解説書も読んでみたいと思います。
 ここが、質問部屋ではなく会議室であるということを失念し、甘えきっていたことを猛省します。
 迷惑を顧みず、先生の部屋を土足で走り回ってしまったことに遅まきながらやっと気づきました。まるで駄々をこねる子供でした。
 今後は、しっかりと勉強します。
 重ねて、先生のお手を煩わせたことに深くお詫びいたします。

1579. Re[1578]:ベクトルと行列の演算規則について 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/06/07(土) 10:32:10
>木内治彦さん
>>以上から、やはり1次元ベクトルや1行1列の行列というのは定義不能と考えるのが妥当のような気もします。
>>よって、内積は1次元ベクトル故にスカラーとして定義するのではなく即スカラーと定義するというのが正解のような気もします。
>>本当のところはどうなのでしょうか・・・。
 「7.逆行列」の章をよく読んてください。(注1)が参考になるかもしれません。(^_-)
>>二つ目は
>>3章の演算定理でスカラーをすべて左側からかけていることです。
>>行列と行列の演算では一般に交換律は成立しませんが
>>スカラーと行列では交換律を定義しても問題ないような気がします。
>>(1つ目で述べたようにスカラーを(1,1)型行列と考えない限りは・・。)
 「2.ベクトルと行列の演算」をよく読んでください。特に(注1)が参考になると思います。(^_-)
 実はスカラーの演算でも、演算の順序を交換すると、結果の数値は同じでも意味が違ってきます。
 例えば「1個10円の卵を3個買うときの値段…10円+10円+10円=10円/個×3個=30円 」を「3個×10円=30円」と書くと、この計算式の意味はナンセンスになってしまいますよね。
>>三つ目ですが
>>行列の積が定義され、それが演算子として機能し写像(関数)が存在(Y=F(X))するならばその逆関数として、X=G(Y)が定義されてもいいのではないか。
>>つまり行列の商(除)が定義されてもいいのではないかということです。
 「7.逆行列」の章をよく読んてください。(^_-)
>>今のところ分からなくても先に進むとわかってくるということなのでしょうか。
 解説書を書く立場から言わせていただくと、最初はわからないところがあっても、かまわずにどんどん先に進むことをお勧めします。
 解説書を書く時は、原則として順番に読むことを前提にして全体の構成を考えますが、最初の方ではちらっと触れるだけで、後で詳しく説明するということがどうしても生じます。
 だから、できれば最初はざっと読んで全体的な概略を把握し、その後で個々の不明点を詳しく読むといった読み方をお勧めします。
 それから同じことでも人によって解釈と表現方法が違いますので、同じものについて書かれた複数の解説書を読むこともお勧めします。
 誰にでもその人なりの理解の仕方というものがあり、それが異なる人の解説書はいくら読んでも理解できないのに、それが一致する人の解説書を読むとスラスラと納得できるということがよくあります。
 当館の解説は、あくまでも僕の解釈と表現方法で書いているので、当館の解説を読んで理解できなかったことが、別の人の解説書を読んだらスラスラ理解できたということが大いに有り得ますよ。(^_-)

1578. ベクトルと行列について 投稿者:木内治彦 投稿日:2014/06/06(金) 23:40:45
有難うございました。かなりすっきりしました。前へ進めそうです。
聞き忘れたことがもう三つほどあったので質問させてください。(しつこくて済みません)
一つ目は定義にかかることですが
<次元数の等しい行ベクトルと列ベクトルを直角に並べ、その対応する要素を掛け合わせて内側に合計します。 このため、この積のことを「内積(inner product)」と呼びます。 また結果がスカラーとなることから、「スカラー積(scalar product)」と呼ぶこともあります。>
内積は、ベクトルの演算の中で極めて特殊なケースと思いますが、一般化したベクトル(または行列)の演算で考えると、結果は1次元ベクトルまたは1行1列の行列と考えられなくもないと思います。
そう考えると、
スカラー=1次元ベクトル=1行1列の行列
または逆に
1行1列の行列=1次元ベクトル=スカラー
と定義したくなるのですが
そもそも、1次元ベクトルや1行1列の行列というのは(代数でいう0割りの如く)定義不能であり故にスカラーを持って定義するのでしょうか。
計算の決まりから行くと、上の定義を許すと行列の要素に行列(1行1列)の存在を許すことになり、それを許すと1行1列にこだわらず際限なく行列の入れ子ができることになります。結局演算規則がどんどん増え(指数爆発)て収拾がつかなくなるような気もします。
また、1行1列の行列と考えると
 a:スカラー=(1,1)型行列
 X:(n,m)型行列
の積
 a・X
が定義できなくなります。(aの列1とXの行nが一致しない)
以上から、やはり1次元ベクトルや1行1列の行列というのは定義不能と考えるのが妥当のような気もします。よって、内積は1次元ベクトル故にスカラーとして定義するのではなく即スカラーと定義するというのが正解のような気もします。
本当のところはどうなのでしょうか・・・。

二つ目は
3章の演算定理でスカラーをすべて左側からかけていることです。
行列と行列の演算では一般に交換律は成立しませんが
スカラーと行列では交換律を定義しても問題ないような気がします。
(1つ目で述べたようにスカラーを(1,1)型行列と考えない限りは・・。)

三つ目ですが
行列の積が定義され、それが演算子として機能し写像(関数)が存在(Y=F(X))するならばその逆関数として、X=G(Y)が定義されてもいいのではないか。つまり行列の商(除)が定義されてもいいのではないかということです。

と、ここまで書いて、ちらちらと先のほうに目を凝らしてみたところ7章で「1次の正方行列すなわちスカラー」「逆行列は逆数を拡張したものであり、行列の積の逆演算に相当します。 そして逆行列を定義することによって、行列の世界で和・差・積・除の四則演算が揃ったことになります。」
という文章を見つけてしまいました。

今のところ分からなくても先に進むとわかってくるということなのでしょうか。
逆行列が逆演算になるというのはおぼろげにイメージできますが、「1次の正方行列すなわちスカラー」はこの後頭の隅から離れないような気がします。
何とか納得する方法を考えてみたいと思います。


1577. Re[1576]:ベクトルと行列について 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/06/06(金) 09:28:34
>木内治彦さん
 当館の「ベクトルと行列」を詳しく読んでいただき、ありがとうございます。m(_ _)m
>>1)ベクトルとベクトルの積
>>ベクトルの内積は、次元か等しいときに(のみ)定義される。
>>  →正しいでしょうか
 正しいです。
>>2)ベクトルとベクトルの積
>>次元数の等しい行ベクトルと列ベクトルを直角に並べ、その対応する要素を掛け合わせて内側に合計します。
>>  →「内側に合計」の意味がよくわかりません。(計算の仕方ははっきりわかるのですが「内側」という言い回しの意味が・・・)
 「内側」とは、要素を水平に並べた行ベクトルと、要素を垂直に並べた列ベクトルを直角に組み合わせ、対応する要素同士を掛け合わせて、それを行ベクトルと列ベクトルの交点のところに合計するという内積の計算方法を、象徴的に表現した言葉です。
 「ベクトルとベクトルの積」の(2.7)式の下の模式図が、この様子を表しています。この模式図を紙に書いて実際に内積を手計算すると、「内側」という表現が何となく実感できるのではないかと思いますよ。(^_-)
>>3)転置行列について
>>X:(n, p)型行列
>>・X'X=[X'X]'  ([X'X]はp次対称行列になる)から
>>・XX'=[XX']'  ([XX']はn次対称行列になる)
>>→正しいでしょうか。(実際にやってみると正しいようなのですが自信がないです)
 正しいです。これは統計学の多変量解析でよく利用される計算です。
>>4)転置行列について(1章1-3,1-4)
>> エクセルの表で実際に15行5列の行列(a1,1~a15,5)を描いて(1セル1要素)みて
>>それを、「コピー、行と列を入れ替え貼り付け」とすると転置行列となると思うのですが
>>・<行列を一般化して表現する時は、成分に添え字i、jを付けて次のように表します。 添え字は最初のものが行番号を、次のものが列番号を表します>
>>というきまり(添え字の行番号と列番号が実際の行番号列番号と合わない)に反してしまいます。
 この決まりは、あくまでも転置前の行列についての決まりです。転置後の行列については、この決まりはあてはまりません。
>>実際、1-4式はそのようになっているのですが、そこのところはどのように考えたらよいのでしょうか。
>>たとえば5行15列の行列(b1,1~ b5,15)を描いて、aij=bjiとするなど・・・。
 添字は要素を区別するためのものですから、わかりやすければどのような付け方をしても構いません。(1-4)式では、転置行列X'は元の行列Xの行と列が入れ替わっているということを表すために、最初の添字がXの列番号に相当し、次の添字が行番号に相当するという表現をしています。
 これをaij=bjiと表現すると、元の行列を転置したのではなく、全く別の2つの行列AとBがあり、その行要素と列要素がたまたま一致している、ということを表すことになってしまいます。
 転置行列は元の行列を転置したのですから、転置後の行列の行要素が元の行列の列要素と一致するのは必然です。このことを明確に表すために、転置後の行列ではわざわざ添字を入れ替えているのです。
 このように行列とベクトルには慣習的に使用している表現方法があり、それが行列を利用する分野によって異なっているということがけっこうあります。
 そのため「ベクトルと行列」では、できるだけ統計学分野で使用される表現方法を使いました。物理学分野では統計学分野とは異なる表現方法を使うことが多いので、物理学関係の人が書いたベクトルと行列の解説書は、統計学分野の人には読みづらいところがありますよ。(^^;)

 以上、参考になれば幸いです。

1576. ベクトルと行列 投稿者:木内治彦 投稿日:2014/06/05(木) 22:49:13
突然ですみません。質問です。
未だに、1章から3章を行ったり来たりしています。(怠け癖で1週間で述べ2,3時間の勉強時間なもので・・・)何度も同じところを読んでも忘れてしまっています。
1)ベクトルとベクトルの積
ベクトルの内積は、次元か等しいときに(のみ)定義される。
  →正しいでしょうか
2)ベクトルとベクトルの積
次元数の等しい行ベクトルと列ベクトルを直角に並べ、その対応する要素を掛け合わせて内側に合計します。
  →「内側に合計」の意味がよくわかりません。(計算の仕方ははっきりわかるのですが「内側」という言い回しの意味が・・・)
3)転置行列について
X:(n, p)型行列
・X'X=[X'X]'  ([X'X]はp次対称行列になる)から
・XX'=[XX']'  ([XX']はn次対称行列になる)
→正しいでしょうか。(実際にやってみると正しいようなのですが自信がないです)
4)転置行列について(1章1-3,1-4)
 エクセルの表で実際に15行5列の行列(a1,1~a15,5)を描いて(1セル1要素)みて
それを、「コピー、行と列を入れ替え貼り付け」とすると転置行列となると思うのですが
・<行列を一般化して表現する時は、成分に添え字i、jを付けて次のように表します。 添え字は最初のものが行番号を、次のものが列番号を表します>
というきまり(添え字の行番号と列番号が実際の行番号列番号と合わない)に反してしまいます。
実際、1-4式はそのようになっているのですが、そこのところはどのように考えたらよいのでしょうか。
たとえば5行15列の行列(b1,1~ b5,15)を描いて、aij=bjiとするなど・・・。

大変初歩的な質問で申し訳ありませんがよろしくお願いします。

1575. 「ボーダーレス・アート・コレクション」 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/06/02(月) 09:16:57
 先日、愛知県高浜市のかわら美術館で開催されていた「ボーダーレス・アート・コレクション」を観てきました。(^o^)/
 「ボーダーレス・アート」とは、既存の美術領域の外側に存在する優れた作品を抽出し、その境界線を超えて作品表現を捉えていこうという考え方です。この展覧会では、山下清のように特に正規の美術教育を受けていない人の作品や、発表することを目的とせず、ただ「創りたいから創る」といった私的な理由で制作し続ける人達の作品を中心に展示していました。
 また、この展覧会には僕の又従兄弟の佐溝力氏が協力しています。彼はホーロー看板の収集家としてその方面では有名ですが、自身が「カラワ・デ・ヒロッタージュ」と呼んでいる、河原で拾った石や漂着物を素材とした造形作品も制作しています。今回はその造形作品が展示してありました。
 展示されたユニークな作品の数々を観ていると、何かを表現することの楽しさが感じられ、人間の創作活動の原点を見る思いがしました。v(^_-)

1574. 「シュガーマン 奇跡に愛された男」 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/05/28(水) 17:25:01
・「シュガーマン 奇跡に愛された男(Searching for Sugar man)」マリク・ベンジェルール監督、スウェーデン/イギリス、2012年
 シンガーソングライター、ロドリゲスの奇跡の人生を追った、大人のお伽噺のような珠玉のドキュメンタリー映画です。
 ロドリゲスは1960年代後期にアメリカのデトロイトでデビューし、一部の人達からはボブ・ディランと比較されるほど将来を嘱望されていました。しかし2枚のアルバムは全く売れず、彼は姿を消してしまい、アメリカでは完全に忘れ去られてしまいます。
 ところがそれから数年後、ロドリゲスの音楽は南アフリカで反アパルトヘイト闘争のシンボルソングとして爆発的にヒットし、エルビス・プレスリーをも凌ぐ有名ミュージシャンになります。
 そして1990年代になり、南アフリカの熱狂的な二人のファンが、「ステージで自殺した」という伝説以外は謎に包まれたロドリゲスの運命を調べようと調査を始めます。そこで彼等は意外な真実を発見し、それがやがて彼等だけでなく、彼等に関わった人達の人生をも変えて行くことになります。
 このロドリゲスという人物の性格と生き方が大いに気に入ったので、観終わって久しぶりに心温まる清々しい気分になりました。音楽好きな人だけでなく、何か好きなことに真剣に取り組んでいる人にお勧めの映画です。v(^_-)

http://www.sugarman.jp/

1573. Re[1572]:経験的思考法と初期の統計学者について 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/05/18(日) 10:13:44
>木内治彦さん
>>ここは(揚足を取る意図は全く有りませんが)
>>この思考法を身に付けたヒトは進化の段階で生き残ったと考えられています。
>>と考えるのが自然ではないでしょうか・・・。
 ここの文章はその意味で書いたつもりなんですが、確かにそれが伝わりにくい文章になってますね。(^^ゞ
 ヒトが生き残った要因には多くのものがあり、この経験的思考法を身に付けたことはそのひとつにすぎないということから、少し間接的な表現にしました。そのため、その意味が伝わりにくくなってしまったのかもしれません。

>>それは、先生のサイトで繰り返し出てくる統計学者の殆どがその名を連ねていることです。
 統計学入門の「1.2 推計学とは何ぞや?」を読んでいただければわかると思いますが、統計学は国勢調査から始まったため人類学や遺伝学と関連して発達した部分が多いんですよ。だから現在でも、Fisher派の統計学者は遺伝統計学を専門にしている人が多いですよ。
 統計学は応用数学ですから、たいていは応用が先行して数学的理論が後から付いてきます。そして統計学を応用する分野によって数理統計学(純粋数学分野)、遺伝統計学、生物統計学、医学統計学、社会統計学、心理統計学などと色々な統計学があり、それぞれ内容が微妙に異なります。
 工学分野における統計学は統計学全体から見ると少々特殊で、そこで用いられる統計手法も少し特殊なものが多いですね。だから工学分野の統計学を専門に解説した解説書は少ないと思いますよ。
 色々な分野の統計学専門家と話をしたことがありますが、基本的な考え方も用いる用語も微妙に異なるので、コミュニケーションを取るのに苦労しましたよ。(^^;)

1572. 無題 投稿者:木内治彦 投稿日:2014/05/18(日) 00:59:06
仕事が煮詰まっていて、閲覧させて頂くだけになってしまいまして申し訳ありません。

閑話閑人を閲覧させて頂いて、進化論のサイトを巡りながら考えたのですが以下の記述で、疑問に感じましたので、先生のご意見を伺えれば幸いです。

しかしこんな悠長な試験を行っていたら、ヒトはとっくの昔に滅亡していたでしょう。 しかも自然界では、こういった経験則に従っていれば大抵はうまくいきます。 このように自然界で起こる森羅万象に素早く対処するためには、わずかなデータから因果関係を手っ取り早く推論することのできる経験的思考法が有効であり、ヒトは進化の段階でこの思考法を身に付けたと考えられています。

ここは(揚足を取る意図は全く有りませんが)
この思考法を身に付けたヒトは進化の段階で生き残ったと考えられています。
と考えるのが自然ではないでしょうか・・・。

進化論は、極めて難解な学問で私のような素人が嘴を挟む資格はありませんが、サイト(主にウィキ)を訪ね歩いているうちに気が付いたことがありました。
それは、先生のサイトで繰り返し出てくる統計学者の殆どがその名を連ねていることです。

今の今まで、統計学とは(私の敬愛する)ガウスの誤差論から始まったと誤解していました。近代統計学の本家本元は生物学(医学生理学)からの要請的な実学であったと気づきました(間違っていたら申し訳ありません)。

先生がサイトを開いたのも、私と同じ立場の統計学を必要としている工学分野の統計学の解説サイト(統計学を単に利用しているものを除き)が見当たらないのもその辺に理由があるのではと思いました。

1571. 「雨乞い3”タ”論法のカラクリ」 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/05/15(木) 17:11:05
 当館の「閑話閑人」に「雨乞い3”タ”論法のカラクリ」を追加しました。
 これは「ドンデモ健康情報番組の作り方」と関連した話題で、巷で行われることの多い「雨乞い3”タ”論法」を少し突っ込んで説明してみました。この論法と科学的思考法に興味のある方は、是非、御覧ください。(^_-)

○玄関>雑学の部屋>雑学コーナー>閑話閑人>雨乞い3”タ”論法のカラクリ

1570. 「ドンデモ健康情報番組の作り方」 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/05/13(火) 20:41:59
 当館の「閑話閑人」に「ドンデモ健康情報番組の作り方」を追加しました。
 テレビや週刊誌に氾濫する怪しい健康情報について、その内容を科学的に吟味するための批判的思考法について説明しています。この手の健康情報番組やメディア情報の読み解き方に興味のある方は、是非、御覧ください。(^_-)

○玄関>雑学の部屋>雑学コーナー>閑話閑人>ドンデモ健康情報番組の作り方

1569. 「現代の国際政治(2013年、放送大学)」より 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/05/05(月) 11:57:23
 「映像とは客観の顔をした主観である。
  多くの歴史が勝者の歴史であるように、映像もまた権力者の意向を反映している」

 「テレビは全くの嘘はつかない、真実を部分的に伝えるのであるから。
 テレビはただの嘘つきではない、上手な嘘つきである」

 これは、近頃、最も同感した放送大学教授・高橋和夫氏の言葉です。この実例として、イラク戦争の時の「フセイン銅像の引き倒し事件」報道に関する写真を紹介しましょう。高橋教授の放送大学の講義では動画で紹介されていましたが、動画は手に入らなかったので写真を紹介します。
 イラク戦争の時、フセイン政権崩壊を歓迎するバグダッド市民が、フィルド広場に建っていた銅像を引き倒したシーンをテレビや新聞で見たことがある人は多いと思います。その同じシーンを、高い位置から全景で撮ったのがこの写真です。
 この写真から、バグダットは人口500万人の大都市にもかかわらず、広場に集まって喜んでいるのはたかだか数十人程度であり、しかも広場の周囲をアメリカ軍の戦車が取り囲んで、他の市民(おそらくは親フセイン派の人達)が近づかないように警戒していることがわかります。そして集まった住民だけでは像が倒せなかったので、アメリカ軍が銅像に鎖をつけて戦車や装甲車で引き倒したのです。
 アメリカと日本のマスコミはこの全景シーンを報道せず、わざと非常に近くから撮った近景シーンだけを報道しました。そのシーンを見て、イラク国民がフセイン政権の崩壊を喜び、アメリカ軍を解放者として歓迎しているように思い込んでしまった人は多いと思います。
 この事件とマスコミの報道についてはすでに色々な人達が検証していて、ジャーナリズムの世界では有名になっているので詳細については説明を省きます。しかし、当時、もしこの全景シーンをアメリカと日本のマスコミが報道していたら、イラク戦争に対する世論や、ブッシュ政権と小泉政権に対する世論はもっと違ったものになっていたでしょう。
 アメリカと日本のマスコミが報道したこの事件の近景撮影シーンは、フセイン独裁政権の崩壊とイラクの民主化の象徴でした。しかしこの全景シーンは、独裁政権が倒れて民主化したはずのイラクが現在もなお激しい内戦状態にあり、イラクの人々が相変わらず苦しんでいることを予感させるような象徴的なものと言えるかもしれません。(~~;)

1568. Re[1567]:ファルージャ 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/04/14(月) 09:37:56
>木内治彦さん
>>報道というのは、基本的にスポンサー(NHKは政府の)の影響を受けその都合で事実を
>>取捨し、電波や活字に載せるものですから起こっている事実は(倫理規定をそこそこ
>>守っている報道であれば)信用できますが決して真実(知恵)ではないと考えています。
>>雑学の部屋の統計学入門2章の最後で先生が仰られている”知恵“は一人一人が獲得
>>してゆくものであり、報道は知識(現代では情報までに抑えるべき?)に過ぎないも
>>のであると思います。ここまでは私の意見です。
 僕もこの御意見に同感ですね。

 「2次資料は信用するな、必ず1次資料に当たれ!できれば生データを調べろ!!」

というデータ解析屋の鉄則を信奉している僕は、マスコミ報道は、興味のあるニュースの1次資料や生データを自分で調べるための単なるヒントとしか思っていません。(←マスコミ関係の友人達がいるので、彼等には怒られるかもしれませんが…(^^;))
 それから、

 「映像とは客観の顔をした主観である。多くの歴史が勝者の歴史であるように、映像もまた権力者の意向を反映している」

という国際政治学者・高橋和夫氏の言葉のように、2次資料または3次資料であるマスコミ報道には必ず報道する側の主観が反映されます。単なる情報だけの報道でも、どのような情報を報道し、どのような情報を報道しないかという点に必ず主観が入るため、客観的な報道というものは原理的に有り得ません。
 いみじくも映画「ファルージャ」の中で、ジャーナリストが次のように言っています。

 「例えば飛行機が墜落した場合、マスコミは墜落した飛行機についての報道はするが、『他の飛行機は全て無事に飛んでいた』ということは報道しないでしょ?
  それと同じで、『非難した人達がいる』ということはニュースバリューがあるので報道するが、それ以上に多くの人達が支持しているということは報道しないんですよ」

 この点が、マスコミ報道と科学論文などとの大きな相違点ですね。科学論文では肯定的なデータと否定的なデータの両方を公平に比較し、できるだけ客観的かつ厳密に仮説を検証しようとしますからね。
>>統計学で考えると、母集団の考えは無作為抽出した標本集団からの推定を行う必要が
>>ありますが、これに一番有効なのはアンケート調査と考えます。
 実は無作為抽出したアンケート調査でも、結果的に「そのアンケートに回答した」という人達だけが調査対象になるため、厳密な意味では公平な結果は得られません。
 そのためそのような偏りをできるだけ減らし、結果をできるだけ公平に解釈するための工夫が色々と考案されています。アンケトー調査は心理学・社会学分野で多用されるため、この分野にはそのようなノウハウが色々と蓄積されていますよ。
 でも残念ながらマスコミにはそういった専門家はいないため、マスコミが行うアンケート調査はかなり恣意的であり、結果は信用できません。以前、そういったマスコミのアンケート調査に少し協力したことがありますが、マスコミのアンケート調査がまるでいい加減なので呆れたことがありますよ。(~~;)
>>つまり、報道が無視しようがしまいが批判葉書と送った人間の数と激励葉書を送った
>>人間の数の比率を母集団の意志を推定する根拠にするにする考えは危険ではないでしょうか。
 非難した人達ちの数と激励した人達の数を比較することは、母集団の意志を推定するには全く役立ちません。なぜなら、それはしっかりと計画された調査から得れたデータではないからです。
 そのため「こんなに沢山の人達が非難しているので、3人のやったことをは悪いことだ」という論調のマスコミ報道や政府の発表は無意味です。しかし当時はこの当たり前のことに気が付かず、彼等の行いを評価しない人達が沢山いたのも確かです。
 もし「彼等を支持し、激励している人達の方が、非難している人達よりも多い」という事実をマスコミが報道していたら、そのような人達(マスコミ報道に踊らされる人達(^^;))の意見は違うものになり、彼等3人はこれほど苦しむことはなかったでしょう。
 このことを考えると、人間は感情の生き物であり、冷静かつ客観的で論理的な思考をするのは非常に難しいとつくづく考えさせられます。感情論に立ち向かうには冷静かつ客観的な論理と科学的思考だけでは足りず、人間の感情に対する深い洞察力が必要になるのでしょうね。
>>その意味で、常に世の中の動向にフィールドで触れることとそれを多くの人間が発信
>>していく(即ち準母集団を母集団に近づけていく)ことがとても重要に思います。
>>映画ファルージャはまさにその活動の一環を担っているのではないでしょうか。
 声を上げることは人々の自覚を促し、世論を動かすということだけでなく、当事者を励まし、自分の信じる道を進む勇気を後押しすることにもなります。
 声を上げても、世論が動かなくて失望する時が多々あります。でもたとえそうであったとしても、当事者にとっては、自分を支持してくれる人がいるという事実は、その後の人生を勇気を持って生きるために大きな意味を持ちます。「ファルージャ」を観ると、そのことがよくわかります。
 彼等とはスケールも内容も全く違いますが(^^;)、以前、地方政治に首を突っ込み、区長や選挙事務長をするはめになり、「世論」というとらえどころのない化け物と格闘した僕自身の経験からも、これは確かに言えることだと思います。v(^_-)

1567. ファルージャ 投稿者:木内治彦 投稿日:2014/04/14(月) 02:29:55
>>3人を罵倒したり、非難したりした心ない人達よりも、マスコミは無視して報道しなかったものの、3人を賞賛し、支持した心ある人達の方が本当は多かったという事実が証明しています。

私も、先生と同感です。
報道というのは、基本的にスポンサー(NHKは政府の)の影響を受けその都合で事実を取捨し、電波や活字に載せるものですから起こっている事実は(倫理規定をそこそこ守っている報道であれば)信用できますが決して真実(知恵)ではないと考えています。
雑学の部屋の統計学入門2章の最後で先生が仰られている”知恵“は一人一人が獲得してゆくものであり、報道は知識(現代では情報までに抑えるべき?)に過ぎないものであると思います。ここまでは私の意見です。

統計学で考えると、母集団の考えは無作為抽出した標本集団からの推定を行う必要がありますが、これに一番有効なのはアンケート調査と考えます。
つまり、報道が無視しようがしまいが批判葉書と送った人間の数と激励葉書を送った人間の数の比率を母集団の意志を推定する根拠にするにする考えは危険ではないでしょうか。

先ず、国民全体の意志を判断するに当たって葉書を送るだけの意志のある標本集団から推定する事のリスク。

次に、批判はがきを送る人間が属する思想(宗教を含め)団体が関与しているリスク。
同様に激励はがきを送る思想(宗教を含め)団体が関与しているリスク(これには労働組合等で日常的に回覧(葉書代無料)される物も有ります。)

このことは、先生が雑学の部屋の統計学入門1.2(2)で詳述なされています。
肯定否定含めて極めて偏った準母集団を推定する事に陥ってはいないでしょうか。

実際の母集団(日本国民)の意志(感情)は、多くは教育(家庭内を含む)と教育を終えた後の社会環境及びマスコミに代表される情報に左右されることが多いと思いますが、それらの因子をコントロールするかによってその時々の為政者がその国をコントロールできてしまうという恐ろしさがあります。

なので、自己責任云々が喧伝された直後に無作為抽出によるアンケート調査が行われていたなら(私はそれが成されたかどうかはわかりませんが)もしかしたら自己責任論に加担する人口のほうが多かったかもしれないという危惧を抱きます。

いずれにしても、私が3人を称賛する立場については先生と同様揺るぎませんが、「支持した心ある人達の方が本当は多かったという事実が証明」というのは少し楽観的に思えるのです。

話は飛躍しますが、機密保護法や憲法解釈についてもいつの間にか母集団の色が変わっていたと言うことになりかねない世の中、インターネットは強い武器ではありますがこれとて、ネット環境に常に触れていられる準母集団にすぎません。
まして、書き込みをするという意志を持った準母集団となるとさらに減ることでしょう。

その意味で、常に世の中の動向にフィールドで触れることとそれを多くの人間が発信していく(即ち準母集団を母集団に近づけていく)ことがとても重要に思います。映画ファルージャはまさにその活動の一環を担っているのではないでしょうか。

1566. 「ファルージャ」 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/04/09(水) 09:19:35
・「ファルージャ」伊藤めぐみ監督、日本、2013年
 イラク戦争の時に起きた「日本人人質事件」の当事者である高遠菜穂子さん、郡山総一朗さん、そして今井紀明さんの、その後の10年間と現在の姿を追った良心的なドキュメンタリーです。
 日本政府とマスコミが演出したいわれなきバッシングを受けた3人は、深く傷付き、長い間苦しんできました。しかしこのバッシングがマスコミの演出に惑わされた人達の空騒ぎであったことは、3人を罵倒したり、非難したりした心ない人達よりも、マスコミは無視して報道しなかったものの、3人を賞賛し、支持した心ある人達の方が本当は多かったという事実が証明しています。(当時、僕も「イラクで人質になった方々への敬意表明と激励の緊急アピール」に賛同し、3人を支持する多くの人達と一緒に激励のメッセージを送りました。v(^_-))
 そしてそういった心ある人達や周囲の人達の激励と支持を受けて、3人が見事に立ち直り、自分の信じる道を再び歩き出したのは大いに喜ばしいことです。3人の勇気と信念と粘り強い活動に、あらためて心からの敬意を表します。m(_ _)m
http://fallujah-movie.com/

1565. Re[1564]:臓器移植 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/04/04(金) 08:36:23
>木内治彦さん
>>退院間近にある看護婦さんがそっと教えれくれました。
>>札幌医科大学は未だに、和田心臓移植のトラウマから脱し切れていないと。
 う〜ん、札幌医科大学は臓器移植に関して少々特殊な状況ですからねぇ。(^^;)
 臓器移植法が成立し、現在はわざわざドナー登録しなくても、臓器提供意志登録カードに必要事項を記入して携帯していれば、ドナー登録したのと同じことになりますよ。
 臓器提供意志登録カードは新しい健康保険証の裏に付いてますし、日本臓器移植ネットワークや日本移植支援協会などで配布しています。
 それからこの両組織のウェブサイトにアクセスすれば、色々な情報を入手することができますよ。(^_-)
 http://www.jotnw.or.jp/
 http://www.ishokushien.com/

1564. 臓器移植 投稿者:木内治彦 投稿日:2014/04/04(金) 03:58:32
1560で書きましたが、口腔底腫瘍で入院中、まだステージ2だったので他臓器は大丈夫だろうと考え今のうちに臓器移植のドナーカードを作ろうと考えました。
それまで自分の”死”を意識していなかったのですが病気になり始めて意識しました。
その旨、主治医の先生や看護婦さんに伝えドナーカードの取得方法や手続きを訊ねると、急によそよそしくなったのです。
退院間近にある看護婦さんがそっと教えれくれました。
札幌医科大学は未だに、和田心臓移植のトラウマから脱し切れていないと。
その時、”あーーー軽率だった”と反省しました。
別に病院で聞かなくても、方法はいくらでもあり、聞くこと自体が自分を生かそうと頑張っている先生たちを信用していない(ステージ2にも拘らず)と受け取られることにもなるわけですから。
まして、ステージ4(遠隔転移)まで行く(ずたずたになるまで生きてやるという覚悟でしたので)と使える臓器は殆どなくなるのではないかと考えると、馬鹿な行動をとったと反省しきりでした。

1563. 音楽朗読劇とミニコンサート 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/04/03(木) 14:38:29
 先日、名古屋南文化小劇場で行われた「音楽朗読劇とミニコンサート」を聴いてきました!(^o^)/
 これはこの会議室でも宣伝しましたが、「アンパンマン」の音楽を担当している、高校時代の同級生の近藤浩章君が行なった親子向けの無料コンサートです。
 このコンサートを日本移植支援協会が後援しているとパンフレットに書かれていたので、少し不思議に思っていたら、朗読と歌を担当した元劇団四季の朝日美保さんは、10年ほど前に腎臓移植をし、現在は元気になって活動を再開している移植体験者でした! その縁で、日本移植支援協会がこのコンサートを後援していたのです。w('o')w
 臓器移植法が成立する前、僕は腎臓、骨髄、眼球、血液、血小板のドナー登録をしていて、定期的に献血していました。そして現在は日本臓器移植ネットワークの会員になっているので、早速、日本移植支援協会のサポーターになりました。
 このコンサートで日本移植支援協会の人達が広報活動をしている様子が、日本移植支援協会のウェブサイトに紹介されています。(^_-)
  http://www.ishokushien.com/activity/1403182.html

1562. 「想像するちから 〜チンパンジーが教えてくれた人間の心〜」 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/03/28(金) 10:43:53
 先日(3月22日)、松沢哲郎先生の文化功労者顕彰記念講演「想像するちから 〜チンパンジーが教えてくれた人間の心〜」を聴講してきました!(^o^)/
 これは昨年10月に松沢先生が文化功労者として顕彰されたことを記念して、第18回東山再生フォーラムの一環として東山動物園の動物会館で行われた講演です。
 松沢先生は犬山にある京都大学医学霊長類研究所の所長をされていて、平成18年から行われている東山動植物園再生プラン検討委員会の委員になっている関係で、今回の講演を行うことになったとのことです。
 松沢先生のお話は何度も聴いていて、そのたびに感銘を受け、教えられることが多々あります。今回は比較的少人数相手で、しかも馴染みのある場所での講演のせいか、かなり突っ込んだことまで話をされていてこれまで以上に感銘を受けました。
 特に質疑応答の時に、チンパンジーとコミュニケーションを取る時の解説として、チンパンジーが発する言葉をゼスチャーを交えながら実演したのは、会場から思わず拍手が起こったほど素晴らしいものでした。その実演には、上から視線ではなく、チンパンジーになりきって彼等と対等の関係でコミュニケーションを取ろうとする松沢先生の人柄が表れていて、松沢先生がチンパンジーから信頼される理由がよくわかる気がしました。v(^_-)

1561. Re[1560]:生存率について 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/03/25(火) 09:44:56
>木内治彦さん
>>先生の雑学の部屋の日本語の起源「カタカナとひらがな」を覗いていた時に
>>「もうここから出られないかもしれない」などと考えていた時に気を紛らわすのに考えていた事を思い出しました。
 「カタカナとひらがな」に書いた日本語の発音については、音声学分野ではかなり以前から議論されていたことのようですね。これを読んだ言語研究者の方からメールをいただき、色々と教えていただいて修正したり、再確認したりしたことがけっこうありました。

>>5年生存した人のその後5年の生存率の積と、10年生存率は同じになるのでしょうか。
>>数学モデルではどのようになるのか(どの様なモデルが採用されているのか)少し興味があります。
 現在の生存時間解析(生命表解析)分野では、5年生存した人のその後の5年の生存率の積(累積生存率)と、10年生存率が同じ値になるようなモデルを組み立てるのが普通です。そうしないとモデルが複雑になってしまい、数学的な取り扱いが困難になってしまうからです。
 生存時間解析の数学的なモデルについては、当館の次のページをご覧ください。ただし生存時間解析そのものを理解するためには、第11章の最初から読んだ方が良いかもしれません。(^_-)

○玄関>雑学の部屋>雑学コーナー>統計学入門
 →11.3 多変量生命表解析 (2) 生存関数とハザード関数
http://www.snap-tck.com/room04/c01/stat/stat11/stat1103.html

1560. 再度ありがとうございます 投稿者:木内治彦 投稿日:2014/03/25(火) 02:00:42
 >>行列記号[]にはベクトルという要素を並べて表記するための表記法という役目と、[] >>の内部に置かれたベクトルを係数とした線形演算法を定義するための演算子という役 >>目の2種類の役目があります
 やっと、30年間のもやもやが解消されました。
 これから、2章の計算と「お友達」になれるよう演習したいと思います。
 
 最近、「数学ガール」(函館図書館)「Eマンの物理学」「物理のカギしっぽ」(ネット)などでもがいていましたが先生の部屋に出会えて、まして初学者にもかかわらず丁寧に解説して頂き感謝に堪えません。有難うございます(過去形にはしたくないので)。

 私事ですが、7年前口腔底腫瘍が見つかり札幌医科大学で舌の下から下歯茎まで切除して頂きました。その時はもうまともに人と会話ができなくなるのではと思いましたが、ヒトの回復力とはすごいもので今では通常の会話に何の不便も感じなくなるまでになりました。

 入院中、発声練習(あいうええおあおの類)を勧められやっているうちにふと(というより昔から疑問に感じていましたが)日本語の50音は母音が足りないのは我慢するとしても子音が明らかにおかしいのではないかと考え書き出してみました。
 たとえば
 さしすせそ
 これは正確には
 さ、すぃ、す、せ、そ
 と
 しゃ、し、しゅ、しぇ、しょ
 また
 なにぬねの は
 な、ねぃ、ぬ、ね、の
 と
 にゃ、に、にゅ、にゅ、にぇ、にょ
 に分けられるべきかと思います
 
 先生の雑学の部屋の日本語の起源「カタカナとひらがな」を覗いていた時に
 「もうここから出られないかもしれない」などと考えていた時に気を紛らわすのに考えていた事を思い出しました。

 口腔底腫瘍は、ステージ2で5年生存率75%というのが当時の状態でした。
 ここで、統計確率の問題になりますが
 5年生存した人のその後5年の生存率の積と、10年生存率は同じになるのでしょうか。数学モデルではどのようになるのか(どの様なモデルが採用されているのか)少し興味があります。

 どのみち、今を必死に楽しんで生きることには変わりないので人生の問題としてではなくあくまで統計学上の興味として先生のご意見を頂けると有難いです。


 

1558. Re[1557]:ベクトルと行列 投稿者:とものり [URL] 投稿日:2014/03/24(月) 09:16:12
>木内治彦さん
>>今まで、ベクトルと行列を同等(の土俵)に考えていましたが、
>>ベクトルを要素とみて行列を作用素(演算子)と考えると(Y=f(X)でXがベクトルfが行列、
>>Yが射影(行列))と考えるとなぜ2つの言葉が必要なのかがすっきり理解できます。
 そのとおりです。
 行列記号[]にはベクトルという要素を並べて表記するための表記法という役目と、[]の内部に置かれたベクトルを係数とした線形演算法を定義するための演算子という役目の2種類の役目があります。
 そのため行列とベクトルの演算は、全て関数または射影y=f(x)という形式で書き下すことができます。そしてお互いに関連するベクトルxが複数にある時は、それらを並べて行列表現にして「Y=f(X)」と簡便に書き表すことができるわけです。
>>特に、2章から3章に続くところでは、頭が雲丹になりそうなところ
>>(2章)で具体例(3章)で雲丹を解消して頂いているのでとても分かりやすいです。
 実は僕がベクトルと行列を理解しようとした時、第3章のような例題を自分で考えて、それを実際に計算してみて、初めてベクトと行列のことを理解できたような気がしたんですよ。
 だから第3章はユニークなベクトルと行列の解説として、自分なりにけっこう自信を持っている章なんです。v(^_-)

1557. ありがとうございます 投稿者:木内治彦 投稿日:2014/03/24(月) 00:44:10
 早速のご教示ありがとうございます。 
 もやもやとしていたイメージが焦点を結びそうです。(あと数十回は読まねばなりませんが2つ目の理由で理解したいと考えました)
 つまり、様々なベクトルが行列という操作(演算を行う演算子)によって別の空間へ射影されるというように理解するとよろしいのでしょうか。
 今まで、ベクトルと行列を同等(の土俵)に考えていましたが、ベクトルを要素とみて行列を作用素(演算子)と考えると(Y=f(X)でXがベクトルfが行列、Yが射影(行列))と考えるとなぜ2つの言葉が必要なのかがすっきり理解できます。(勘違いかもしれませんが)
 ただ、「行列」という作用素を経た結果が「行列」という形式を持つ表記に射影されるのはこんがらがるので、「行列の形式をとった作用素」を経た結果が「行列」という形式を持つ表記に射影されると考えたいと思いますが間違いでしょうか。
 
 3章で触れられている∇:ナブラ(nabla)などは、「行列の形式をとった作用素」(演算子)としての特殊な形であると考えるととても分かりやすく思います。

 数学はときに、計算はできるけれども意味が分からない(イメージできない)ためにそれより先に進めなかったりとばして後で苦しむことが多々あると思います。
 先生の「ベクトルと行列」の部屋では、そのあたりのジレンマを解消しているという点でとても助かります。
 特に、2章から3章に続くところでは、頭が雲丹になりそうなところ(2章)で具体例(3章)で雲丹を解消して頂いているのでとても分かりやすいです。

 拙い素人ですが今後ともご教示よろしくお願いいたします。

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