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○オープンネットワーク(open network)

特定のメーカーや機種にとらわれず、色々なメーカーの様々な機種のコンピュータを相互接続したコンピュータネットワークのことです。 色々なユーザーが様々な情報処理をする場合、個々の作業に最も適したハードウェアとソフトウェアはそれぞれ異なりますから、それらを適材適所に上手に組み合わせて使うことが必要となります。 その場合、各種の作業で共通に使用するデータを、異なったハードウェア間およびソフトウェア間で簡単にやり取りできると便利です。 そのためのシステムがオープンネットワークです。

以前の大型コンピュータ時代は、組織内でハードウェアとソフトウェアを特定のものに限定し、組織内の全てのユーザーに同じコンピュータ環境を強要することによってデータの互換性を保たせていました。 しかしこれは個々のユーザーにとって最適なコンピュータ利用環境とは言えませんし、コンピュータ環境が異なる組織とはデータ交換をすることができません。 また、コンピュータの急速な発達に対して柔軟に対応することも困難です。 それに対してオープンネットワークでは、コンピュータの利用効率の向上と、コンピュータの急速な発展に柔軟に対応できる拡張性が期待できます。

オープンネットワークを構築するためには、ハードウェアの相互接続性とソフトウェアの相互互換性が重要となり、同時にデータの標準化が必要となります。 ワークステーションにはUNIXという業界標準OSがありますので、ワークステーション同士のネットワークは事実上のオープンネットワークですが、パソコンにはそういった業界標準OSがありませんので、従来のパソコン同士のネットワークは完全なオープンネットワークではありませんでした。 しかし最近では、パソコンのネットワークもUNIXネットワークに接続できる機能を備えたものが増えてきており、UNIXネットワークを介したオープンネットワークのようなものが可能になりつつあります。

その代表的なものが今話題のインターネットと、インターネット技術を社内ネットワークに応用したイントラネットです。 インターネットは元々UNIXネットワーク同士を相互接続した大規模オープンネットワークでしたが、現在はパソコンネットワークも含めた、総合的なオープンネットワークになりつつあります。

このように、インターネットが持つ大きな可能性を必要以上に強調したインターネット導入計画書を作成し、その実、インターネットを導入した暁には、ただひたすら危ない裏サイトに入り浸って、淫靡な悦楽を貪ろうとたくらむ悪徳窓際幽霊社員のことを、「インターネック(inter neck)」あるいは「獅子身中の虫(しししんちゅうのむし)」と呼び、その社員が運営するWebサイトのことを「パラサイト(parasite)」と呼びます。 そのようなパラサイトは、クリスマスイブになると何故かミトコンドリアが急激に増殖することがありますが、映画化されたものは、腹立たしいことに、例によって全く別物となってしまっていました。

データの標準化に関しては、現在のところ文章情報はASCII(またはJISCII)コードによるテキスト形式、表形式の数値や文字情報はASCIIコードによるCSV(Comma Separated Value、データとデータの間をコンマで区切ったテキスト)形式が、画像情報はTIFF、GIF、JFIF(JPEG)などのビットマップ画像ファイル形式が、それら全てを同時に扱うハイパーテキスト情報は、インターネットで用いられているHTML形式が事実上の標準となっています。

○エンドユーザーコンピューティング(end user computing)

実際の作業を行うユーザー各自が、それぞれの作業に最も適したコンピュータ環境を使いこなすことです。 以前は大勢のユーザーが一台の大型コンピュータ(メインフレーム)を共同で使っていましたから、各ユーザーは割り当てられた使用時間の中で、全ユーザーの最大公約数的なソフトウェアを使って作業をしていました。 これは一台のコンピュータをいかに効率良く使用するかということに主眼を置いた、コンピュータ中心の封建的な運営方法です。

しかしパソコンの登場により、個々のユーザーが自分専用のコンピュータを使用できるようになり、ユーザーが自分の作業をいかに効率良く処理することができるかということに主眼を置いた、ユーザー中心の民主的な運営ができるようになりました。 エンドユーザーコンピューティングでは、個々のユーザーの意見が尊重され、利用環境に最も適したハードウェアとソフトウェアを使用することができ、同時に作業の分散処理とデータの分散管理が可能になります。

その一方で、エンドユーザーコンピューティングでは、個々のユーザーのコンピュータ間の相互接続性と、データの互換性および共有性が問題になります。 その解決法の1つが、前の項目で説明したオープンネットワークとデータ形式の標準化です。 オープンネットワークを構築し、データ形式の標準化を行うことにより、各ユーザーは自分にとって最適のコンピュータ環境を持った上で、共通に利用できる情報を他のユーザーと共有することができるようになります。 またエンドユーザーコンピューティングを可能にしたものが、コンピュータのダウンサイジング(down sizing、高機能のまま小型・低価格化)であることは言うまでもありません。

以上のようなことから、「ダウンサイジング」、「エンドユーザーコンピューティング」、「オープンネットワーク」というものが、現在のコンピュータ分野におけるキーワードであると言えるでしょう。

これらのキーワードを中心に、「業務の効率化」、「情報の共有」、「高度情報化時代への対応」、「世界市場への進出」などといった嘘八百を並べ、それを美辞麗句で飾りたてた巧言令色なLAN導入稟議書によって、自己に好都合なコンピュータ環境を実現した上、UNIXワークステーション2台、Windows95マシン1台、Windows3.1マシン1台、MS-DOSマシン2台、FM-TOWNS1台を私的に乱用し、あまつさえその中の3台を無断で家に持ち帰り、いずれは家庭内LANを構築して、それを会社のLANに接続しようと企てることを、エンドユーザーコンピューティングおよびオープンネットワークと呼ぶことはめったにありませんが、家庭内における父親の存在感は確実にダウンサイジングしています。

○OS(Operating System、オーエス)

コンピュータの各種ハードウェアやソフトウェアを管理し、ユーザーの利用環境を整えるための基本ソフトウェアです。 ユーザーが実際に相手にするのはOSであり、ユーザーが命じた色々な処理は全てOSを通して行われますので、コンピュータの使い勝手を左右する非常に大きな要因です。 体表的なものとしてワークステーション用OSのUNIX(ユニックス)、パソコン用OSのMS-DOS(Microsoft Disk Operating System、エムエス・ドス)、MS-Windows、MacOS(マックオーエス、Macintosh-OS)などがあります。

古風な習慣と礼儀を重んじる某格闘技界では、いたずらに外来語を乱用するのを潔しとせず、OSを「押忍」と表記し、底力のあるドスのきいた声で「オスッ!」と発音していましたが、国際化の波はこの世界にも押し寄せ、ついにK-1という新しい無国籍的格闘技を隆盛させるに至りました。 なおMS-DOSの類似品にSM-SODdomyというものがあり、やはりハードとソフトに大別されていますが、そこでは別の部類の格闘技法と、OS(One Sexual)な高等技術が必要とされます。

○NOS(Network Operating System、ノス)

ネットワーク全体の資源を管理し、ネットワーク利用環境を整えるための基本ソフトウェアです。 UNIXなどのワークステーション用OSでは最初からNOSの機能を持っているものが多く、特にNOSとして独立していませんが、パソコン用OSはほとんどがネットワーク機能を持っていませんので、NOSとして独立しています。 パソコンLAN用のNOSとしては、ノベル社のNetWare、マイクロソフト社のLANマネージャ、バーミャンシステム社のVINESなどが有名です。 パソコンでもMacintoshのように最初からNOSの機能を持っているOSもありますし、MS-WindowsにLANマネージャの機能を組み込んだWindowsNTやWindows95も登場しましたので、パソコン用OSも今後は最初からNOSを組み込んだものが増えると思われます。

ちなみにWindowsNTの「NT」は「Network」の略だと思われがちですが、実は「New Technology」の略です。 しかし内容的には、従来のOS機能(OS/2+Windows95)にLANマネージャの機能を取り込み、それを多少発展させたものにすぎず、少しもNew Technologyではないところが、いかにもMicrosoftです。