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○モデム(MODEM)

「MOdulator-DEModulator」の略で、ある体系の信号を別の体系の信号に変調したり、それをまた元の体系の信号に復調したりする変復調装置のことです。 普通はコンピュータのデジタル電気信号を電話回線用のアナログ音声信号に変調・復調する装置のことを指し、公共電話回線を介したコンピュータ通信に無くてはならない装置です。 またファクシミリとの通信機能を持ち、コンピュータ通信だけでなく、FAXを送受信することができるFAXモデムもあります。

モデム

なおデジタル電気信号ではなく、デジタルリンゴとデジタルイタチョコの食べ過ぎで、体に変調をきたしたデジタル犬のことをロデム、それから復調したデジタル犬のことをミデム、「血と薔薇」や「バーバレラ」などの耽美的作品を撮った、”女性専科”監督のことをロジェ・ヴァディムといいます。

○bps(bits per second、ビーピーエス)

コンピュータ通信速度の単位のひとつで、1秒当たりに転送されるビット数を表します。 1秒当たりのバイト数を表す場合も、「BPS(bytes per second)」と同じ記号になりますので、慣習的にビットの場合を「bps」と小文字で表し、バイトの場合を「BPS」と大文字で表すこともあります。

○ボー(baud)

モデムが1秒当たりに変復調する回数のことで、低速モデムではbpsと等しくなりますが、高速モデムでは変調方式が異なるためbpsとは一致しません。 例えば300bpsはそのまま300ボーになりますが、9600bpsでは一度に4ビットが変調されるため2400ボーになります。 このため、伝送速度の目安としてはボーよりもbpsが汎用されます。

○回線速度(DCE速度、Data Communications Equipment)

モデム←→モデム間速度のことで、DCE速度とかCARRIER速度ともいいます。 モデムの通信速度を表す場合、普通はこの回線速度を用い、「28800bpsモデム(28.8kbpsモデム)」とか、「14400bpsモデム(14.4kbpsモデム)」などといいます。 回線速度が速いほど同じ通信時間でより多くのデータが送受信できますので、より効率的になります。

○端末速度(DTE速度、Data Terminal Equipment)

コンピュータ←→モデム間速度のことで、DTE速度ともいいます。 一般的なデータ通信ソフトでは、回線速度と端末速度を設定する必要があります。 その場合、データ圧縮機能のないモデムでは、回線速度と端末速度は同じ速度にしますが、データ圧縮機能のあるモデムでは、回線速度よりも端末速度の方を速くするのが普通です。

○パリティ(parity)
0000011 0000111
コード(011)コード(111)
パリティビットパリティビット

あるビット数で表現される2進化データを記憶したり通信したりする場合に、全体の「1」の個数が奇数または偶数になるように、余分のビットを1ビット付け加えて、データ記憶やデータ通信の誤りの有無を検出する機構のことです。 そしてパリティのために付け加えられるビットのことを「パリティビット」、全体を奇数にするパリティを「奇数パリティ(odd parity)」、偶数にするパリティを「偶数パリティ(even parity)」と呼びます。

例えばデータのビット数が7ビットで、偶数パリティの場合は左図のようになります。 数字とアルファベットしか扱わないASCIIコードの場合、7ビットのコードに1ビットのパリティビットが付け加えられ、全体として8ビット(1バイト)として処理されますが、仮名文字と漢字も扱うJISCIIコードの場合は、コードだけで8ビット使いますので、通常はパリティビットは付け加えられず、「パリティなし」となります。

○ストップビット(stop bits)

コンピュータ通信ではデータは沢山のコードの集合として送受信されますが、各コードが連続して送受信されますと、通信エラーなどであるビットが欠落した場合、それ以後のコードは全て間違ったコードとして解釈されてしまいます。 このためコードとコードの間に通常のビットの2倍分の長さの信号を入れ、コード間の区切りとしています。 このビットのことを「ストップビット」、あるいは「ストップエレメント(stop element)」といいます。

普通はストップビットとして「1」を表すビット信号が用いられますが、「0」を表すビット信号が用いられる場合もあります。 またこのストップビットがあるため、1バイトのコードを送受信するのに10ビット程度必要となり、例えば28800bpsの通信速度の場合、実効速度は2880bps(bytes per second)程度になります。 日本のパソコン通信ではパリティなし、コード長は8ビット、ストップビットは1が普通で、これを通称「N81(エヌハチイチ)」といいます。

○MNP(Microcom Networking Protocol、エムエヌピー)

アメリカのマイクロコム社によって開発されたモデムプロトコルで、クラス1からクラス10までの規格があります。 MNPはエラー訂正機能やデータ圧縮機能などを備えていて、IBMに採用されたことから、現在のところモデム用プロトコルの主流になっています。

ちなみにマイクロコム社は、安価で賢いモデムを開発している日本のモデムメーカー、「マイクロ・コア社」とよく混同されます。

○V.規格

ITU-T(旧CCITT、国際電信電話諮問委員会)によって提唱された、モデムプロトコルです。 エラー訂正機能を持つV.42(ブイヨンニー)、データ圧縮機能も合わせ持つV.42bis(ブイヨンニービス)などがあり、全体的にMNPよりも高機能のため、今後はこのV.規格がモデム用プロトコルの標準規格になっていくと思われます。 ちなみに、V.42で提唱されたエラー訂正プロトコルのことを「LAPM(Link Access Procedure for Modems、ラップエム)」といいます。

また冷蔵庫で匂いが移らないように、鳥ガラスープに透明フィルムをかぶせるプロトコルのことをブイヨンラップといい、騒がしい幽霊が空中でパチパチというくぐもった音を出しながら、リズムに合わせて歌詞を早口にまくしたてるプロトコルのことを、ポルターガイストラップといいますが、これらのプロトコルには、通常、エラー訂正機能はありません。